今や世界、そして何より日本経済の先行きは不透明感が増しています。
あなたの会社をめぐる状況はいかがでしょうか?キャッシュフローはどうでしょう?
取引先への売掛金が1か月後には入金予定だが、それまで回す資金がショートしている。給与支払いができそうにない…。などという状況に直面している会社は、少なくありません。
そんな緊急時を乗り切る一つの方法が、ファクタリングです。最近、耳にしたり、目にしたりする機会が増えています。
この記事では、初めてファクタリングを利用する方のために、ファクタリングの利用方法と流れをわかりやすく解説させていただきます。
ファクタリングの利用方法(2社間ファクタリング)
(1)2社間ファクタリングとは?

2社間で行うファクタリングです。2社とは、利用者(あなたの会社)とファクタリング会社のことです。
2社間ファクタリングでは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡するときに、取引先の会社にそのことを知らせる必要はありません。
2社だけで手続きが完了するため、資金化が迅速に行われます。急いでいるときにはとても助かります。
ただ、取引先への通知をしていないため、ファクタリング会社が負うリスクが高くなり、その分手数料も高くなります。
また、大手ファクタリング会社では、2社間ファクタリングを取り扱っていないので、利用するファクタリング会社をきちんと見定める必要があります。
(2)2社間ファクタリングに必要な書類
①売掛金証明書類
売掛金が本当に存在することを証明するための書類です。
発注書/検収書/請求書、通帳コピー(定期的に売掛金が発生して期日通りに入金されているか)、業務基本契約書。
②会社に関する書類
会社概要やパンフレット(なければ、ホームページを印刷したものなど)、本人確認書類、過去の決算書。
③税金や社会保険料関係
納税証明書、社会保険の納付済証(または領収書)。
(3)契約までの流れ
①申込み
ファクタリング会社によって、インターネット、電話、来店、郵送などの方法で申し込みます。
必要書類も事前にチェックしましょう。
②審査
ファクタリング会社による審査があります。
法人登記情報や帝国データバンクのデータベースなどを参考にされる場合もあります。
③契約
ファクタリング会社による審査通過後、契約手続きを行います。
④入金
契約完了後、手数料を差し引いた金額が、利用者の口座に振り込まれます。
⑤回収
2社間ファクタリングでは、売掛金は利用者の会社の口座に振り込まれます。取引先からの着金後、指定期日までにファクタリング会社の口座に振込みます。
ファクタリングの利用方法(3社間ファクタリング)
(1)3社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリングは、文字通り、3社間で行うファクタリングです。
利用者(あなたの会社)とファクタリング会社に加えて、取引先の会社になります。
3社間ファクタリングでは、あなたの会社がファクタリングを利用することを、取引先(売掛先)に通知し、承認を得る必要があります。そのため、現金化までに時間がかかります。
また、ファクタリング利用が、取引先に知られてしまいますが、取引に透明性を保つことができます。ただ、取引先が、不信感を持つ可能性もあります。
3社間ファクタリングでは、売掛金は、直接、ファクタリング会社に振り込まれます。
そのため、ファクタリング会社が負う貸し倒れリスクは低くなり、手数料は2社間に比べるとずいぶん低くなります。
(2)契約に必要な書類
3社間ファクタリングでも、2社間ファクタリングで説明した必要書類が必要です。
もう一度、まとめましたので、ご確認ください。
①売掛金証明書類
売掛金が本当に存在することを証明するための書類です。
発注書/検収書/請求書、通帳コピー(定期的に売掛金が発生して期日通りに入金されているか)、業務基本契約書。
②会社に関する書類
会社概要やパンフレット(なければ、ホームページを印刷したものなど)、名刺、過去の決算書。
③税金や社会保険証関係
納税証明書、社会保険の納付済証(または領収書)。
上記の2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに共通書類の他に、3社間ファクタリングでは、債権譲渡に対する承諾書が必要になります。
取引先にファクタリング利用を承認してもらわなければなりません。
(3)契約までの流れ
①取引先への打診
ここが、2社間ファクタリングと大きく違う点です。
申込みをする前に取引先にも、ファクタリングを利用したい旨を伝えて承認してもらいます。
②申込み
ファクタリング会社によって、インターネット、電話、来店、郵送などの方法で申し込みます。
必要書類も事前にチェックしましょう。
③審査
ファクタリング会社による審査があります。
法人登記情報や帝国データバンクのデータベースなどを参考にされる場合もあります。
④契約
ファクタリング会社による審査通過後、契約手続きをしますが、その際、取引先の印鑑が必要になります。
⑤入金
契約完了後、利用者の口座に手数料を差し引いた金額が振り込まれます。
⑥回収
3社間ファクタリングの場合、売掛金は取引先がファクタリング会社に振り込みますので、利用者はファクタリング会社に振り込む必要はありません。
ファクタリングを始める際の注意点
(1)手数料をチェック!
ファクタリングでは、手数料が他の金融商品に比べて割高です。
というのは融資の場合、利息は利息制限法の規制を受け、利息制限法以上の利息が付くことはありません。
しかし、ファクタリングは借金ではなく、売掛債権の譲渡になるため手数料となります。
そのため、利息制限法が適用されず、かなり高い手数料になることは覚悟しておきましょう。継続的な利用は避けた方が賢明です。
特に2社間ファクタリングの場合は、相場は10~20%。場合によっては40%を超える場合もありますから、要注意です。
(2)取引先に、ファクタリング利用がばれるリスク
2社間ファクタリングでは、取引先にファクタリングを利用することを知らせる必要はありません。
ただ、「債権譲渡登記」を行う場合は、取引先がそれを確認すれば利用が知られてしまいます。
知られた場合、「緊急にお金が必要なほど、資金繰りが悪化しているのか」との疑念を抱かせます。経営危機を疑われた場合、今後の取引にも影響が出る場合があります。
また、3社間ファクタリングの場合は、事前に、取引先の承認を得る必要がありますが、その場合も、「この会社は、大丈夫なのか?」と信用不安を引き起こす可能性もありますから、利用は慎重に考えましょう。
(3)悪徳業者には注意が必要!
2社間ファクタリングを扱っている大手のファクタリング会社はありません。
そのため、中小のファクタリング会社を利用することになります。健全で良心的な会社のなかに悪徳業者が紛れていることもありますから、ファクタリング会社選びは慎重に行いましょう。
さらに、ファクタリングを利用するときは、資金ショートなど緊急事態に陥っている場合が多いです。悪徳業者は利用者の焦りや弱みに付け込んで、法外な手数料や保証金を請求する場合もあります。
ファクタリングでは、手数料などを差し引かれた金額が振り込まれ、取引先から入金になった売掛金は、そのままファクタリング会社に振り込む必要があります。
引かれる手数料等が大きい場合、資金繰りが改善できなくなりますので、ファクタリング会社選びはとても重要です。
優良ファクタリング会社の選び方
ファクタリングは、ファクタリングのデメリットを十分理解したうえで、優良な業者を利用するなら、急場の資金ショートを救ってくれる一つの方法です。
ところが、多くの優良なファクタリング会社の中に悪徳業者が紛れているため、気をつけなければなりません。
ファクタリング会社を選ぶ際にチェックしたいポイントをまとめました。
(1)ファクタリング会社の公式サイトをチェック!
会社所在地、代表者名、電話番号(固定電話)の記載があるか?手数料、契約条件などが明記されているか?
悪徳ファクタリング会社では、公式サイトがなかったり、連絡先が携帯電話だったりする場合が多いです。
(2)「面談不要」や極端に甘い条件には要注意!
面談や審査もしないで債券買取というのは、一般的なファクタリング会社の場合あり得ません。悪徳業者を疑いましょう。
提示された条件が法外にいい条件の場合、後からいろいろな名目の手数料を請求される恐れがありますから、極端にいい条件に飛びつくのは危険です。
(3)本来、保証人や担保は不要
一般的に、ファクタリングでは、保証人や担保は必要ありません。
もし、保証人や担保を要求してくる場合は、怪しいと考えていいでしょう。
特に、あなただけの情報だけでなく、緊急連絡先として家族や友人などの個人情報まで書かせられる場合、悪徳業者と考えて間違いありません。
先ほども書きましたが、ファクタリングを利用しようと思うときは、利用者の方にも焦りがあることが多いです。
利用しようとしているファクタリング会社が、「怪しい」「なんか変」と感じたら、迷わず、その会社との取引はやめた方がいいでしょう。
まとめ
ファクタリングを利用する際に必要な書類や利用方法をまとめました。
また、利用する際に気をつけるポイント、優良ファクタリング会社の見分け方もあわせてご紹介しています。
はじめてファクタリングを利用する際には、いろんな不安などもあるかもしれません。
優良なファクタリング会社を選び、あなたの会社の実情に合わせたファクタリング方法を選べば、あなたの会社の資金繰りを改善させてくれる方法です。
ファクタリングの仕組みについての記事と併せてお読みいただき、上手にファクタリングをご利用ください。