基礎知識

ファクタリングで少額の売掛債権を取引する方法と注意点

売掛債権_小額



「ファクタリングを利用したいが、少額の売掛債権しか持っていない」
「少額の売掛債権でも、ファクタリングで資金調達できるのかを知りたい」

本記事を読んでいる方は、以上のように考えている方が多いのではないでしょうか。

今回はそんな方に向けて、ファクタリングで少額の売掛債権を取引する際の注意点について解説していきます。
また、少額の売掛債権の取引に対応しているファクタリング会社を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

ファクタリングで少額の売掛債権を取引できる?

少額の売掛債権でも、ファクタリングを利用できるのかについて解説します。

たとえ少額でも資金調達できれば、短期的な資金繰りを改善できる方がいるのではないでしょうか。
少額の売掛債権を取引したい方は、これから解説する内容に目を通してみましょう。

ファクタリングの利用が初めてで用語や仕組みがわからない方は、まずは以下の記事からご覧ください。
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ファクタリングを初めて利用する方へ

(1)売掛債権の最低買取額以上なら取引できる

少額の売掛債権を取引できるかどうかは、利用するファクタリング会社次第です。
売掛債権の最低買取額が、ファクタリング会社ごとに設定されているからです。

たとえば、後ほど紹介するファクタリング会社・フリーナンスとNo.1ファクタリングでは、以下のように設定されています。

企業名 最低買取額
フリーナンス 1万円
No.1ファクタリング 50万円

どちらも少額の売掛債権を取引できるファクタリング会社です。しかし、最低買取額には49万円の差があります。
また、他のファクタリング会社では、最低買取額を100万円以上に設定している企業もあります。

以上のように、売掛債権の最低買取額は、ファクタリング会社によってバラバラです。
ファクタリングで少額の売掛債権を取引する際は、ファクタリング会社のホームページで最低買取額を確認しましょう。

(2)売掛債権は組み合わせて取引できる

手持ちの売掛債権の額が少なくて、ファクタリングを利用できないことがあるでしょう。
そんなときは、売掛債権を組み合わせて、ファクタリングの利用を申し込んでみてください。
ファクタリングでは、複数の売掛債権を組み合わせて取引できます。

たとえば、3万円の売掛債権を4つ保有していて、売掛債権の買取最低額が10万円のファクタリング会社を利用するとします。
売掛債権1つあたりの額が3万円なので、売掛債権が1つだけでは取引できません。

しかし、4つの売掛債権を組み合わせれば合計12万円なので、取引できるようになります。
手持ちの売掛債権を組み合わせた金額で、利用するファクタリング会社を選んでみてください。

(3)ファクタリング手数料は高い傾向がある

ファクタリング手数料は、取引する売掛債権が少額なほど高くなります。
ファクタリング会社が1回の取引で得られる利益が、少なくなるからです。

たとえば、ファクタリング会社が10万円の売掛債権と100万円の売掛債権を、ファクタリング手数料5%で買い取るとします。
それぞれの取引で発生するファクタリング手数料は、以下のとおりです。

取引する売掛債権の額 発生するファクタリング手数料
10万円 5,000円
100万円 5万円

10万円の売掛債権を取引したときの方が、4万5,000円少なくなります。
取引にかかる労力が同じでも、得られる利益は同じではありません。

そのためファクタリング会社は、得られる利益を増やすためにファクタリング手数料を高めに設定します。
ファクタリングでかかる費用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
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ファクタリングで少額の売掛債権を取引する際の注意点

本項目では、ファクタリングで少額の売掛債権を取引する際の注意点について解説します。
少額の売掛債権の取引を検討している方は、これから解説する内容に目を通してみてください。

(1)資金調達額が少ない

少額の売掛債権を取引する場合、資金調達できる金額が少なくなります。
売掛金から、ファクタリング手数料が差し引かれるからです。

たとえば、10万円の売掛債権を取引する際に、15%のファクタリング手数料が発生するとします。
ファクタリング手数料が1万5,000円なので、資金調達できる金額は8万5,000円です。

また、ファクタリングでは事務手数料や審査手数料なども発生します。
ファクタリング手数料だけでなく諸費用も必要なため、資金調達できる金額は少なくなってしまいます。

ですので、ファクタリングを利用する際は、なるべく複数の売掛債権を組み合わせてファクタリング手数料を抑えましょう。

(2)2社間ファクタリングでは登記費用がかかる

登記費用とは、債権譲渡登記を行う際に必要な費用のことです。
2社間ファクタリングで取引する際に、ファクタリング会社から債権譲渡登記を要求されるため必要になります。

債権譲渡登記を行う理由は、売掛債権の所有者を明確にする必要があるからです。
3社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡を通知します。
売掛先が売掛債権の所有者を把握できるため、債権譲渡登記を行う必要はありません。

一方2社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡を通知しません。
そのためファクタリング会社は、債権譲渡登記を行わなければ売掛債権の所有者が変わったと証明できなくなります。

利用者が売掛債権を二重譲渡したり、売掛金を使い込んだりするかもしれません。
ですのでファクタリング会社は、2社間ファクタリングで取引する際、利用者に債権譲渡登記を要求します。

登記費用は数万円かかるため、少額の売掛債権を2社間ファクタリングで取引すると、資金調達できる金額が少なくなってしまいます。
少額の売掛債権を取引する際は、なるべく3社間ファクタリングを利用しましょう。

(3)利用対象者に該当しない場合は取引できない

ファクタリング会社によっては、サービスを利用できないことがあります。
対応している事業形態が、ファクタリング会社ごとに異なるからです。

たとえば、ファクタリング会社・三共サービスは、個人事業主に対応していません。
法人のみ対応しているため、法人の方がサービスを利用できます。
個人事業主の方は、問い合わせても資金調達できません。

ですので、ファクタリング会社を選ぶ際は、対応している事業形態を確認しましょう。
対応している事業形態は、ファクタリング会社のホームページで確認できます。

(4)悪質ファクタリング会社の利用は避ける

数多くあるファクタリング会社ですが、中には悪質な企業が潜んでいます。
うっかりサービスの利用を申し込んで契約書を交わしてしまうと、あとから法外な手数料を請求されるかもしれません。

そこで本項目では、悪質なファクタリング会社を見極める方法について解説していきます。
ファクタリングの利用を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

①会社概要の記載内容

ファクタリング会社について調べる際は、会社概要の記載内容をチェックしてみましょう。
悪質ファクタリング会社には、会社概要の詳細を記載したがらない傾向があります。

たとえば、代表取締役の名前が名字だけしか記載されていなかったり、スタッフの写真が掲載されていなかったりします。
会社概要を見て「記載内容が少ない」と感じた場合は、なるべく利用しないようにしましょう。

②ホームページのデザイン

ファクタリング会社を選ぶ際は、ホームページのデザインに注目してみましょう。
悪質なファクタリング会社には、ホームページのデザインが適当な傾向があります。

たとえば、いつまでもホームページの表示のバグを、放置していることがあります。
悪質なファクタリング会社は、評判が悪くなると会社を畳んで新たに作り直すため、ホームページのデザインにこだわりません。

ただ、中にはホームページのデザインがしっかりしている、悪質なファクタリング会社もあります。
ですので他の内容にも注目して、悪質なファクタリング会社かどうかを見極めましょう。

③企業の口コミ

ファクタリング会社の口コミを見れば、悪質な企業かどうかを見極められることがあります。
以下のような内容が記載されている場合は、悪質なファクタリング会社かもしれません。

  • 法外な手数料を請求された
  • 消費税が発生した
  • 保証人や担保を要求された
  • 契約書をもらえなかった など

法外な手数料を請求されたり消費税が発生したりするファクタリング会社は、悪質な企業です。
利用は避けるようにしましょう。

口コミはGoogleマップや口コミサイトなどで掲載されているので、ファクタリングを利用する前にチェックしてみてください。

④スタッフの対応

悪質なファクタリング会社には、スタッフの対応が雑な傾向があります。
雑なスタッフの主な特徴は、以下のとおりです。

  • タメ口を使う
  • 面倒くさそうに話す
  • 質問に答えてくれない
  • 利用をやめると怒る など

とても接客業とは思えない態度で、電話に出ることがあります。
ですので、ファクタリング会社のスタッフの対応が雑な場合は、利用しないようにしましょう。

少額の売掛債権を取引できるファクタリング会社5選

少額の売掛債権を取引したい方向けに、おすすめのファクタリング会社を5社紹介していきます。
売掛債権の最低買取額の低さ・ファクタリング手数料の安さに注目して、ピックアップしました。
ファクタリング会社を探したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

(1)MSFJ(個人事業主)

MSFJ
会社名 MSFJ株式会社
所在地 東京都豊島区池袋2-70-11 3F
設立 2017年9月(創業2015年11月)
最低買取額 10万円
ファクタリング手数料 3.8~9.8%
入金スピード 即日~
利用対象者 個人事業主

MSFJは、2017年9月から営業している東京のファクタリング会社です。
売掛債権の最低買取額が10万円と、低めに設定されています。

そして、ファクタリング手数料は最低3.8%と安めです。
コストを抑えて少額の売掛債権を取引したい方は、ぜひ利用してみてください。

MSFJは個人事業主向けのファクタリング会社なので、自営業やフリーランスの方におすすめです。

(2)フリーナンス(FREENANCE)★フリーランス向け

フリーナンス
会社名 GMOクリエイターズネットワーク株式会社
所在地 <本社>
東京都渋谷区桜丘町26番1号
セルリアンタワー
<福岡オフィス>
福岡県福岡市中央区天神2丁目7番21号
天神プライム
設立 2002年4月
最低買取額 1万円
ファクタリング手数料 3~10%
入金スピード 即日~
利用対象者 法人・個人事業主

フリーナンスは、2002年4月から18年以上営業している老舗ファクタリング会社です。
個人事業主向けであるため、売掛債権の最低買取額が1万円とかなり低めに設定されています。
そして、ファクタリング手数料は最低3%です。

長年営業しているフリーナンスなら、安心して低コストで少額の売掛債権を取引できます。
ライター・グラフィックデザイナー・エンジニアなど、個人事業主の方はぜひ利用を検討してみてください。

(3)アンカーガーディアン ★関西・九州

アンカーガーディアン
会社名 株式会社アンカーガーディアン
所在地 <本社>
福岡県福岡市中央区大名2-10-4
シャンボール大名D棟1505号
<大阪支店>
大阪府大阪市淀川区西中島3-7-8
NLC新大阪17号館302号
設立 2018年2月
最低買取額 問い合わせ
ファクタリング手数料 3%~
入金スピード 即日~
利用対象者 法人・個人事業主

アンカーガーディアンは、2018年2月から営業しているファクタリング会社です。
福岡と大阪にオフィスを構えているため、関西・九州の方に利用をおすすめします。

売掛債権の最低買取額は、ホームページの無料診断だと50万円となっています。
50万円未満の売掛債権を取引したい場合は、電話で問い合わせてみましょう。

ファクタリング手数料は最低3%なので、コストを抑えて取引できます。
東京に足を運ぶことが困難な方は、ぜひ利用を検討してみてください。

(4)えんナビ

えんナビ
会社名 株式会社インターテック
所在地 “東京都台東区東上野3-5-9
本池田第二ビル4F”
設立 2017年4月
最低買取額 50万円
(50万円未満は問い合わせ)
ファクタリング手数料 5%~
入金スピード 即日~
利用対象者 法人・個人事業主

えんナビは、2017年4月から営業している東京のファクタリング会社です。

売掛債権の最低買取額は、50万円に設定されています。
手持ちの売掛債権の額が50万円未満である場合は、問い合わせてみてください。
えんナビは50万円未満の売掛債権でも、対応してくれることがあります。

ファクタリング手数料は最低5%と、他社に比べて少し高めです。
しかし、24時間365日対応してくれるので、利用しやすいファクタリング会社です。

(5)No.1ファクタリング

株式会社No.1
会社名 株式会社No.1
所在地 <東京本社>
東京都豊島区池袋4-2-11
CTビル3F
<名古屋支社>
愛知県名古屋市中村区則武2-3-2
サン・オフィス名古屋3F
<福岡支社>
福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル2F
設立 2016年1月
最低買取額 50万円
ファクタリング手数料 1~15%
入金スピード 即日~
利用対象者 法人・個人事業主

No.1ファクタリングは、2016年1月から営業しているファクタリング会社です。
東京だけでなく、愛知や福岡にもオフィスを構えています。
そのため、関西や九州の方も利用しやすくなっています。

売掛債権の最低買取額は、50万円とやや高めです。
少額の売掛債権を組み合わせて、取引するようにしましょう。

ファクタリング手数料が最低1%に設定されているので、コストを抑えて取引したい方におすすめします。

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まとめ

今回は、ファクタリングで少額の売掛債権を取引する際の注意点について解説しました。
少額の売掛債権を取引する際は、以下の内容に注意しましょう。

  • 売掛債権の最低買取額を確認する
  • ファクタリング手数料は高い傾向がある
  • 対応している事業形態を確認する
  • 悪質ファクタリング会社を利用しない

ファクタリング会社によっては、少額の売掛債権の取引に対応していない可能性があります。
そして、対応している事業形態がファクタリング会社によって異なるので、ファクタリングを申し込む前に確認しましょう。

また、中には法外な手数料や消費税などを請求してくる、悪質ファクタリング会社もあります。
ですので、先ほど解説した内容を参考にして、利用を回避しましょう。